バリューチェーンで見るCSR

バリューチェーン(放送事業)

番組・コンテンツがご家庭に届くまで

番組をつくる

番組の信頼は"テレビ東京らしさ"の土台です

言論の多様性を担い、放送の公共的使命に応える放送局は高い倫理観が求められます。
主力事業である地上波放送において、テレビ東京は放送のあるべき姿を自ら考え、放送の社是とも言うべき「放送番組編成基準」などの自主基準を制定して放送の公共的使命を果たしています。また、日本民間放送連盟やBPO(放送倫理・番組向上機構)の意見等を尊重して番組の質向上に反映しています。
社会の要請は時代とともに広がり、個人情報保護や機密情報管理、プライバシー保護などの重要性がいっそう増しているほか、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は視聴者とのコミュニケーションツールとしての大きな可能性を秘める一方で、想定外のリスクも内在しています。番組制作に携わる私たちは、現代社会の多様な要請を踏まえた高い倫理観と社会性が求められています。
テレビ東京の番組は"テレビ東京らしさ"と言われる独自性に評価をいただいています。2011年秋からは"原点回帰"をコンセプトに、よりテレビ東京らしさを前面に出した番組を編成したところ、視聴率は上昇基調にあります。"テレビ東京らしさ"は長年にわたって視聴者の皆様とともに培ってきた、私たちの番組づくりの根底に流れるDNAですが、その基礎には放送の社会的使命を果たす取り組みが土台としてあります。
私たちは系列局とも連携しながら、グループ会社や外部のスタッフの方も対象とした研修を行うことで信頼される番組づくりに取り組み、"テレビ東京らしさ"を守ります。

広告枠を販売する

「CMの価値を高める」取り組み

テレビ東京グループの一番大きな収益は放送収入で、これは主にスポットCMやタイムCMと呼ばれる広告枠を販売することで得られます。CMはコマーシャルメッセージの略。"こんな商品やサービスがある"と知らしめるとともに、世の中の動きや文化・風俗など様々なメッセージを伝えることで、見る人と社会をつなげます。このため、CMの価値を高めることはクライアント企業にとっても視聴者にとってもメリットがあることで、たとえば『ヒットの秘密!』(毎週日曜昼12:25~)では、優れたCMをつくるための様々な創意工夫を紹介しています。
商品告知にとどまらず、いい社会づくりに向けた企業の想いや姿勢を伝えることも、CMの社会的な価値を高めることにつながると考え、クライアント企業に"メッセージ発信"を働きかけるとともに、企画や展開案などについての提案をしています。
このほか、社会課題の解決につながる商品・サービスや、あまり知られていない企業の社会貢献活動を紹介することも意義があると考えていて、「参加型 社会貢献テレビ『びっくり!カイシャ見学』」も、そうした試みの一つです。

番組を放送する

安心安全な放送に向けて

子供からお年寄りまで幅広い視聴者のために"安心・安全な放送"に取り組んでいます。
1997年12月16日にテレビ東京系列で放送されたアニメ『ポケットモンスター』を見た視聴者が光の点滅で発作を起こす事態が発生しました。発生後、テレビ東京は日本民間放送連盟と日本放送協会で作成した「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」を遵守し、日々の制作工程で目視と「点滅等検出装置」による映像チェックなど、再発防止に取り組んでいます。何より作り手の意識が重要なため、制作現場の社員を対象に毎年研修を実施するほか、外部への講演なども積極的に行っています。

非常災害時でも電波を届ける

首都直下地震などで被災し放送設備が使えなくなった場合を想定し、大阪のネット局からも災害報道ができるよう体制を整えています。系列局と連携して災害報道訓練を実施するとともに、全社的な後方支援体制を構築しています。 電波を届けるために必要な基地局・中継局についても、在京民放各局で協力分担して日常的に保守にあたるほか、人が背負って高い山に登れば中継ができるポータブル中継設備を共同で導入するなど、非常時に備えています。

ライツで展開する

権利を守り、正しく活用する

テレビ東京グループは放送だけでなく、出版やDVD、商品化、最近はデジタルコンテンツや動画配信といった様々な形で、番組を二次利用しています。番組は映像、脚本、実演、音楽、写真、CGなどの著作権や著作隣接権といった権利の集合体なので、番組の放送時はもちろんのこと、二次利用の際にも関係者の権利を守り、正しく活用することが、信頼されるビジネスの前提になります。このため、著作権講座や権利処理の手法を学ぶ社内講座などを開催し、社員教育に力を入れています。
近年、コンテンツの海外展開が注目を集めていますが、諸外国の中には著作権管理が徹底していない国もあって、海外展開は関係者の権利を守ることとあわせて取り組まなければなりません。
これまでもテレビ東京は、海外におけるインターネットの違法動画投稿に対しては度々警告を発してきましたが、完全に駆逐するのは難しく、いたちごっこが続いていました。この現状を打開するには、高画質で正規の映像配信を始めることで、低画質な違法配信を無力化する、つまりビジネスによる攻めの対策が必要と判断し、アニメ番組の正規配信を2009年から行っています。現在、世界の多くの国で人気アニメタイトルを日本の放送直後に外国語の字幕付きで視聴することができるので、視聴者獲得はもちろんのこと、違法視聴の蔓延も抑止しています。

視聴者の声

視聴者の声と向き合う

テレビ東京では、視聴者の方から毎月平均1万件のお問い合わせやご意見・ご要望をいただいています(電話:約9000件、メール:約1000件)。お電話でいただいたご意見などについては、視聴者センターが伺った内容を社内システムに入力し、全社員がいつでも閲覧できるようにしています。またメールでいただいたご意見などについては、1日2回、番組担当者に送付され、番組づくりに活かされています。
このほか、第三者で構成される放送番組審議会を定期的に開催し、視聴率や営業状況などを説明するとともに番組に対する評価をいただき、審議内容を『ウオッチ!7』やホームページで公開するとともに、番組の質の向上に努めています。社外モニター制度(一般公募、任期1年)では、各年代の男女20名に様々な番組を視聴していただきご意見を冊子にまとめて番組担当者に周知しています。
視聴者からの問い合わせには迅速・丁寧にお答えすること、ご意見やご要望については担当者一人ひとりがきちんと受け止め向き合うことが、より良い番組づくりにつながると考えています。